第二編 歴史 第四章 近代・現代 第五節 農林水産業 一 農業 (四) 果樹栽培 出荷統制組織をめぐる対立 前述した県梨共同販売所は昭和10年8月、県果物組合連合会と改称した。翌11年、当時の県知事・中谷秀は、同連合会を改組して県産業組合連合会と合併するように勧奨した。完全な出荷統制のもとに、販売と金融が一体となった強固な組合にする目的であった。この知事案をめぐって賛否両論が対立し、同年4月、花見・舎人両園芸組合を含む反対派は従来どおりの県果物組合連合会を、東郷組合を含む賛成派は県二十世紀梨組合連合会を結成した。大正14年以来県下一本であった生産者団体は、しばらく分裂することになる。翌12年1月、後任知事・立田清辰らの調停によって両者は和解し、県果物同業組合に1本化した。この経緯の詳細は『梨沿革史』を参照されたい。 |
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