第2編 歴史
第4章 近代・現代
第5節 農林水産業
 1  農業
(4) 果樹栽培

共同選果場の設置
 「東郷組合事業報告書」によると、同組合では昭和6年、二十世紀ナシの選果・荷造り方法を統一するため、県・郡・村の各農会技術員を各戸に派遣し、実地指導を行っている。翌7年からは、一部で共同選果を行い、出荷に際には抜き取り検査を実施した。このころ、松崎駅構内に同組合の「二十世紀梨検査所」が設けられている。
 東郷組合内で部落に共同選果場が新築されたのは、同9年度であった。高辻、中興寺などに3カ所に設けられた。同年、舎人園芸組合でも共同選果場が設置されている(『梨沿革史』)。このうち東郷組合では、各選果場に数人の選果員を設けたほか、翌11年には部落ごとに選果員を設置し、品質の統一を図っている。各部落の共同選果場は、同組合の奨励によって漸次増えていったと見られる(「東郷組合事業報告書」)。
 なお、花見園芸組合の場合は共同選果場はなく、個人選果であったが、組合が任命した検査員が各栽培農家を回って、箱詰め前の選果状況を点検したという(野花・寺地信好談)。


東郷園芸組合二十世紀梨検査所の作業風景
(高辻・山本重雄所蔵の絵はがきによる)


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