第2編 歴史 第4章 近代・現代 第5節 農林水産業 1 農業 (4) 果樹栽培 二十世紀ナシの導入 千葉県で発見、育成された二十世紀ナシ(注)は、明治37年春、現・鳥取市桂見の北脇永治が初めて県内に苗木を導入した。間もなく、長谷川秀蔵(野花)、伊藤馬蔵が町域内に導入している(『梨沿革史』)。当時、県内のナシは長十郎が主体で、ほかに早生赤、赤龍などの赤ナシが多かった。しかし、今までにない優れた品質に加えて、緑色の気品のある果形を持った二十世紀ナシの出現は、当時の果樹栽培農家や消費者の関心を集めたことでだろう。長谷川らの導入を契機に、町域内でも栽培熱が広まり、東郷ナシの歴史が始まったのである。 なお、東郷中学校の東側にある久見・更田健所有の二十世紀ナシの老木は、導入初期に祖父・安左衛門が成木の早生赤に高接〈つ〉ぎしたもので、県下で最大、最古の二十世紀ナシの木であろうという(森田泰徳談)。 (注) 二十世紀ナシの木は、明治21年、現・千葉県松戸市の石井佐平のごみ捨て場に生えていたのを松戸覚之輔が発見し、自家園で栽培した。10年後の同31年(1898)、初めて成熟した果実は品質・外観ともに優秀であったため、間近に迫った新しい世紀に期待を込めて「二十世紀ナシ」と命名された(『梨沿革史』)。 |
|||
|
|||