第2編 歴史 第4章 近代・現代 第4節 官公署と医療機関 1 官公署 (1) 警察官駐在所 事件と犯罪 前掲『県警察史第一巻』から、当時での事件を2例紹介しておく。 (1)明治7年、松崎宿で住民に200人が寺(中興寺の龍徳寺)の跡継ぎ問題を不満として騒乱を起こした。詳しい事情は明らかにできないが、この騒ぎで174人が捕らえられている。 (2)同13年12月31日の夜、生活に困った本県士族7人が刀を持って小鹿谷の酒屋に押し入り、主人に傷を負わせて現金を強奪した。一味は翌14年1月にも現・鳥取市内で、2回の強盗・殺人事件を起こしている。全員が逮捕されたが、県内を震え上がらせた一連の強盗事件であった。 このほか、前掲「舎人村誌巻上」は、明治16年から大正元年までの同村民による犯罪・事故件数を年ごとに列挙している。その多くは窃盗、賭博、詐欺であるが、なかには傷害、酒造・徴兵令違反なども散見される。なお、同書の著者は、「(これらの)犯罪者ハ主二他二出稼ギセル者ニシテ本村二労働セルモノニアラズ」と説明している。 |