第2編 歴史
第4章 近代・現代
第3節 戦争と災害
 3  自然災害

昭和9年の水害
 昭和9年9月の第一室戸台風は、西日本一帯に猛威を振るい、特に県内では天神川流域の東伯郡が最も大きな被害を受けたという(『鳥取県史近代第二巻政治篇』)。東郷湖は水位が高まり、松崎駅前の温泉街では、床上1.6メートルまで浸水したと伝えられる。
 当時の『鳥取新報』などによると、同月21日の早朝、国信で男子中学生1人、羽衣石で小学生を含む3姉妹が、家屋の倒壊などで圧死したことが知られる。また、ナシの出荷では、汽車が不通のため、泊港から境港に送ったあと、城崎まで再び船で回送し京阪神に運んだという。このほか、旭・上橋豊著「山部村落末記」は、松崎では舟で2階から出入りし、国信では山崩れで押しつぶされた民家を部落総がかりで救援したと記している。
 長和田の羽衣石橋のたもとに立つ「道路・河川改修記念碑」は、この水害に伴うものである。

表44 昭和9年9月の家屋被害状況
区分/村名
舎人
松崎・東郷
花見
全  壊
1
6
3
半  壊
0
3
13
流  失
0
2
2
床上浸水
21
298
197
床下浸水
17
83
69
(注)昭和9年9月29日付「鳥取新報」による。

昭和9年の水害に伴う
「道路河川改修記念碑」
(長和田)

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