第2編 歴史
第4章 近代・現代
第2節 財政と村政
 2  主要な村政
(3) 移住の奨励

北海道移住
 明治7年に創設された北海道の屯田兵制度は、道内の警備や開拓、家族の移住奨励が目的であった。鳥取県でも、同12年に鳥取士族5戸が移住したが、当初は、窮乏する士族の救済策であった(『鳥取県史近代第一巻総説篇』)。その後、警備の意味合いは徐々に薄れ、屯田兵制度は明治36年に廃止された。以後の北海道移住は、農民や一般の人も参加する開拓が主目的になっていった。
 町内には、屯田兵など北海道移住に関するまとまった記録は残っていないが、町役場所蔵の「除籍簿」によると、明治時代だけで70戸、315人が移住したことが知られる(表39参照)。このうち、最も早い転籍年月は同21年1月である。また、同27年7月20日には、10戸が空知郡滝川村に同時に転籍している。


1.転籍先別戸数と家族数

当時の転籍先
(現・郡〔市〕町村名)
戸数
家族数

空知郡滝川村(滝川市)
 〃 岩見沢村(岩見沢市)
 〃 奈井江村(砂川市)
 〃 幌向村(空知郡南幌町)
 〃 沼貝村(美唄市)
 〃 砂川村(砂川市)
上川郡東旭川村(旭川市)
 〃 当麻村(上川郡当麻町)
 〃 神居村(旭川市)
 〃 剣淵村(上川郡剣淵町)
 〃 鷹栖村(上川郡鷹栖町)
幌泉郡幌泉村(幌泉郡えりも町)
礼文郡神崎村(礼文郡礼文町)
夕張郡角田村(夕張郡東利尻町)
 〃 登川村(夕張市)
利尻郡鬼脇村(利尻郡東利尻町)
 〃 鴛泊村(〃)
 〃 本泊村(〃)
根室郡根室村(根室市)
石狩郡当別村(石狩郡当別町)
常呂郡野付牛村(北見市)
網走郡美幌村(網走郡未幌町)
 〃 網走町(網走市)
沙流郡沙流太村(沙流郡門別町)
雨竜郡深川村(深川市)
斜里郡斜里村(斜里郡斜里町)
宗谷郡稚内町(稚内市)
室蘭郡室蘭湊(室蘭市)
小樽区花園町(小樽市)

19
1
7
1
3
1
1
1
2
1
1
1
1
2
1
1
1
1
1
2
5
5
1
2
1
4
1
1
1
78
6
28
4
15
5
5
1
14
4
7
1
4
10
9
2
4
5
5
8
19
25
4
15
3
20
5
5
4
合計
70
315
2.出身地別戸数

出身地
戸数
方地
藤津
漆原
北福
松崎
中興寺
久見
川上
高辻
方面
別所
田畑
小鹿谷
引地
野花
埴見
門田
長江
3
6
1
2
17
1
2
3
3
2
2
3
4
7
1
1
5
7
合計
70
表39 明治時代の北海道移住状況

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