第2編 歴史 第4章 近代・現代 第2節 財政と村政 2 主要な村政 (1) 衛生 衛生委員 明治10年代になると、コレラが再三流行した。これによって、伝染病予防の体制が強化された。同13年4月の町村衛生委員選挙規則の制定も、その一環である。衛生委員の選挙人資格は、地租を納める20歳以上の男子、被選挙人資格は同じく25歳以上の男子とされた。その任務は、開業医との連絡調整、伝染病死体埋葬の監督、伝染病や家畜伝染病の届出、種痘の励行、などであった。仕事の内容が広範囲であったため、適任者がなかなか得られず、公選も思うに任せなかったといわれる。衛生委員の制度は明治18年に廃止され、その仕事は戸長に移された(前掲『鳥取県史』)。 なお、衛生委員は当初、町村の規模に応じて1人ないし数人が置かれたとされる(『同書』)が、町内に残る文書から、のちには広範囲な区域単位で置かれていたことが知られる。 |
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![]() 明治13年の「衛生委員承認書」 (川上・森田良平所蔵) |
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