第2編 歴史
第4章 近代・現代
第2節 財政と村政
 1  旧村時代の税制と財政

大正時代の財政状況
 大正時代の村財政は、同7年度の舎人村予算(予算編5号)を例にする。
 歳入の項目では、村税、国税・県税交付金、使用料及手数料、財産より生ずる収入など、明治31、36年度の同村のそれとほとんど変わらない。
 また、歳出では、舎人小学校費や農業補習学校費など教育費が全体の50パーセント近くを占め、役場費、諸税及負担などが続く。明治時代に見られなかったものでは、財産を蓄積するための基本財産造成費、貧困者を救済するための救助費、神饌〈せん〉料などの神社費、召集・徴兵旅費繰替金などの雑支出などがある。また、衛生費に代わって伝染病予防費、隔離病舎(後述)費が計上されている。こうした歳出の項目で、第一次世界大戦後の軍事色や敬神崇拝の思想の強化、衛生や福祉の対策など、当時の世相や行政の方向をみることができる。

<前頁
次頁>