第2編 歴史
第4章 近代・現代
第1節 行政組織
 2  東郷町の誕生

合併理由と新町名
 前項で触れた県知事への町村合併申請書に添付された資料では、合併の理由として、3か町村は地理的にも近接し、人情・風俗・職業・生活状態が同じであり、経済的・社会的条件など密接な関係を持っている、最近は東郷湖総合開発計画などが進められているので、この際合併して、基礎の強固な自治体をつくり、地方産業や文化の発展、観光施設の充実を期したい、としている。
 新しい町名の「東郷」については、宮内・一ノ宮経塚の経筒の銘文と、もと京都・松尾大社に所蔵されていた「河村郡東郷荘下地中分絵図」を例にして、歴史的に由緒ある名前であることを強調し、さらに東郷湖を中心にした将来の発展を期して新町名を決定した、と述べている。
 また、役場庁舎の位置などについて、先の協定書では「三か町村の中央部で適当な場所を選定する」、「役場庁舎は新築」する、とされ、知事への添付資料では「新町住民の利便を考慮して、中央部の松崎停車場(松崎駅)付近と決定した」となっている。しかし、役場庁舎は松崎四区の東郷松崎町役場の庁舎がそのまま使われた。
 なお、合併当時の各町村の人口、財産などは、資料編135号に収録した。


松崎四区の旧・役場庁舎の玄関

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