第2編 歴史 第4章 近代・現代 第1節 行政組織 2 東郷町の誕生 合併協定書と知事申請 東部地区合併協議会の話し合いの結果、昭和28年3月4日に「東郷松崎町舎人村・花見村合併協定書」が出来上がった(前掲「合併関係綴」収録)。その全文を紹介する。 東郷松崎町 舎 人 村 合併協定書 花 見 村 町村の財政力を強化して地方自治体確立と地方産業および文化の発展向上を図り、もって住民の福利を増進せんがために、三か町村合併の実施条件として、別紙の基本事項を協定した。 右確認しここに署名する 昭和二十八年三月四日 東部地区合併協議会会長 東郷松崎町長 山枡忠興 (印) 副会長舎人村長 本荘英博 (印) 副会長花見村長 山崎武三郎 (印) 委員 上福喜一郎 (印) 飛村常蔵 (印) 河田卯市郎 (印) 福井富蔵 (印) 谷脇儀太郎 (印) 下田増蔵 (印) 河本 茂 (印) 藤田一敏 (印) 音田滝臣 (印) 松岡邦治 (印) 前田武寿 (印) 岡本勝良 (印) 書記 森田幸一 (印) 寺地八一 (印) 岡本勝良 (印) 協定事項 一 合併形式は合体合併とすること 二 合併実施期日は昭和二十八年四月一日とすること 三 新町名は東郷町とすること 四 役場の位置は三か町村の中央部で適当な場所を選定すること 五 役場庁舎は新築しこの財源は起債その他によること 六 支所は舎人村及花見村の各旧村役場内に設置すること 七 議員定数は法定数の二十二人とすること 八 議員選出は小選挙区制をとること 九 議員の選出方法は次の選挙区と定数によること 東郷松崎町 九人 舎人村 六人 花見村 七人 一〇 教育委員は法定数の四人とすること 一一 委員選出は小選挙区制をとること 一二 委員の選出方法は次の選挙区と定数によること 東郷松崎町 二人 舎人村 一人 花見村 一人 一三 職員は旧三か町村助役以下の職員を原則として新町へ引継ぐこと 一四 各種委員は新町において新たに選出すること 一五 財産営造物及負債の処分については行政財産及負債を新町に引継ぎ財政財産的なものは旧町村毎に処分し特殊事情のあるものは財産区を設置して財産の管理を行ふこと 但し一時借入金の内東郷松崎町一、〇〇〇、〇〇〇円舎人村六〇〇、〇〇〇円花見村二、〇〇〇、〇〇〇円は新町へ引継ぐこと 一六 花見村立更生寮付属授産場は新町の町立として財産管理運営を旧花見村に残置すること 一七 舎人村が委託してゐる太養保育園を新町に引継ぎ新町において現状通り委託すること 一八 小中学校の数及位置通学区域については夫々現状のままとするが花見村において河北中学校より東郷中学校へ転学を希望する者については東郷中学校へ収容すること 一九 消防団の組織は各町村消防団とも新町へ統合し新町制に即した組織に整へること 二〇 自治功労者については次の通り取扱を行ふこと ー長以下職員、議会議員及教育委員の退職に伴ふ慰労金は臨時措置に関する条例を制定してこれを支給すること 二一 農業委員会は当分の間各旧町村区域をもって委員会を設置すること 二二 継続事業は新町に引継ぐこと 二三 懸案事項は各町村取絡めて整備計画として新町へ引継ぐこと 二四 農業協同組合については現状の通りとして将来の統合については関係機関と協議すること 二五 新町長議員及教育委員の選挙期日を四月二十五日とすること 二六 松崎駅名及松崎郵便局名は現状通りとすること 二七 国民健康保険事業は新町へ引継ぐこと 以上 翌3月5日、各町村長は協定書どおり合併の処分方を県知事に申請するなどの議案を町村議会に提出、即日(花見村は推定)議決された(前掲「合併関係綴」)。 その3日後の3月8日、3か町村長の連署で、町村合併申請書が県知事・西尾愛治に提出された。これには、合併の理由書、新町名を決定した理由などが添付されている(「合併関係綴」所収)。間もなく県議会の議決を経て、4月1日から東郷町を設置する旨の県の告示、続いて総理府の告示がされた。この告示は、資料編133号と134号にそれぞれ収録した。 なお、町役場所蔵の「昭和二十七年度・花見村一般会計歳入歳出決算書」によって、同村では閉村式を開催したことが知られるが、開催日などの詳細は不明である。 |
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