第2編 歴史
第4章 近代・現代
第1節 行政組織
 1  行政組織の変遷

手伝人と伍長
 用係のほか、町内には連合戸長役場時代の手伝人、伍長の任命書も散見される。手伝人の任務は、『鳥取県史』によると用係と同様であるが、臨時的なものであった。
 また、伍長は、後の各村(部落)の班長に相当するものであった。明治18年の「白石村申合規約」(白石・福井克之所蔵)には、「村内十戸以内ヲ以テ一伍トシ之ニ伍長壱名ヲ置キ、三伍ヲ一組トシ之ニ組長一名ヲ置クモノトス」とある。伍長、組長は、それぞれ伍・組内の選挙で選ばれ、任期は満2年としている。そのほかの村の場合も同様であったと思われる。伍・組は、風俗改良や道路の取り締まりなど、村内の諸事を円滑に維持するために設けられた自治組織であったが、いつまで存続したか定かでない。白石村の場合は、明治40年の伍長・伍員の名簿が残っている。

明治17年、戸長事務取扱用係の代理として、
さらに他の用係が署名した例
(川上・森田正明所蔵)

明治16年の「第四連合手伝人任命書」
(鳥取市・伊藤泰雄所蔵)
別所村第4番伍長の承認書
(別所・西田陽二所蔵)

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