第2編 歴史
第4章 近代・現代
第1節 行政組織
 1  行政組織の変遷

地方支配と庄屋制度
 鳥取県の行政は、版籍奉還後の明治2年10月以降、政庁に設置された民生局が受け持った。また、鳥取・米子に市政所、郡部には郡政所が置かれた。松崎町の場合は、同2年3月ごろ町年寄、目代が廃止されているが、大庄屋以下の村方、町庄屋以下の町方の役人は藩政時代のままとされた。五人組制度を基礎としながら、租税賦課徴収、政令布達、戸籍調べ、風俗取り締まりなど、町村を単位とした支配制度がしばらく維持された。松崎町は、同4年9月に松崎宿と改称した。
 なお、町内には明治初年の郡司名による賞状が数通伝わっている。郡司とは藩政時代の郡奉行を改称したものであった(『鳥取藩史第五巻民政志』)。その後、同4年7月の廃藩置県以後、郡司は廃止されたとみられる。


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