第2編 歴史
第4章 近代・現代
第1節 行政組織
 1  行政組織の変遷

版籍奉還と廃藩置県
 明治2年から翌3年にかけて、全国の大小274藩がことごとく版(土地)、籍(人民)を奉還した。旧藩主は藩知事に任命され、地方長官として藩治に当たった。因伯でも旧藩主池田慶徳が藩知事に任命された。
 明治4年7月、新政府は廃藩置県を行い、鳥取藩は鳥取県となった。当初は因幡・伯耆と、鳥取藩の飛び地であった播州の一部が管轄区域であった。その後、播州は姫路県に移され、同年12月には新たに隠岐国が編入された。また、同年11月には、旧鳥取藩士の河田景与が鳥取県権令(後の知事に相当)に任ぜられている。
 さらに明治9年8月、再び県の統廃合が行われ、全国3府35県になった。このとき、鳥取県は廃止されて島根県に合併された。現在の鳥取・島根両県の区域を合わせた「島根県」が生まれたのである。
 鳥取県が廃止されると、鳥取士族を中心として猛烈な再置運動が起こった。この結果、明治14年9月、再び鳥取県が設置された。その際、隠岐は島根県の管轄に残された。


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