第2編 歴史
第4章 近代・現代
第1節 行政組織
 1  行政組織の変遷

概説
 日本の歴史のなかで、明治維新は画期的な一大変革であった。慶応3年(1867)10月14日、15代将軍徳川慶喜が大政を奉還して、徳川300年にわたる幕政の幕を閉じた。そして、約700年ぶりに天皇を主権者とする君主制国家が生まれ、明治新政府が成立したのである。政治的には、封建的専制政治から中央集権的立憲政治へ転換し、経済的には資本主義経済へ、社会的には身分制度から四民平等の近代社会へと変革した。
 私たちの郷土も、時代の夜明けと共に新たな歩みを始めた。特に行政区画の変更や、それに伴う行政組織の変遷など、明治前期における制度の改変が著しい。ここでは、こうした流れを主体に紹介する。その多くは『鳥取県史近代第二巻政治篇』(以下『鳥取県史』と略称する)を参考にした。昭和28年4月の東郷町の誕生については、項を改めて述べる。


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