第2編 歴史 第2章 中世 第5節 中世の信仰・その他 町内における曹洞宗寺院 曹洞宗がどのようにして因伯に進出してきたかは、資料がないため不明であるが、延文2年(1357)に建立された中山町の退休寺が因伯における最初の曹洞宗寺院とされている。それから約50年後、南条貞宗の二男機堂長応が三朝の曹源寺・倉吉の定光寺の開山となった。 定光寺三代俊鷹道青の弟子端翁玄鋭は、龍徳寺(曹洞宗)の開山となっている。おおよそ西暦1500年前後と推定され、前項に挙げた廓道が香宝寺を開いたのと同時代である。東郷池周辺においては、曹洞宗と真宗がほぼ同時に入ったとみられる。 南条景宗の菩提寺として建立された景宗寺は、慶長5年(1600)羽衣石城滅亡のさい焼失した。時の住職仙長和尚は長和田に草庵を結び、南条氏の菩提を弔ったが、のちにこれが長伝寺(曹洞宗)になったと伝えられる。したがって、景宗寺は曹洞宗であったと推定し得る。景宗と機堂長応は兄弟であり、景宗寺も曹源寺などとほぼ同時代に開かれた寺であろう。 |
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