第2編 歴史
第2章 中世
第3節 室町・戦国時代
 2  戦国時代の郷土
(2) 毛利氏の東伯耆支配と南条氏

天正8年の因伯の情勢
 天正8年(1580)6月、秀吉は因幡に進出し、毛利氏の領有していた因幡の若桜鬼か城・私部〈きさいち〉城を攻略した。これより先、元続は因幡の気多郡に出動して秀吉軍に助勢している。秀吉は更に進んで鹿野城を陥れ、尼子の遺臣亀井茲矩〈これのり〉を城番として配した。当時、元春は山陽方面に転戦していたが、因伯が急を要する事態となったので、羽衣石城の攻略を決意した。7月21日、末吉城(大山町)に陣を替え、後続を待ちながら八橋・船上両城の間に伝城〈つたえのしろ〉(敵城を攻めるために築く城)1、2か所を構築し、その上で羽衣石城の攻撃にかかる段取りであった(資料編48号)。


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