第2編 歴史
第2章 中世
第3節 室町・戦国時代
 2  戦国時代の郷土
(1) 尼子氏の進出と南条氏

尼子氏の興隆
 前述のとおり、尼子氏は佐々木系京極氏の出〈で〉であるといわれる。京極高秀の第2子高久が近江国尼子庄に住居してから尼子氏を称した。
 高久の子持久は、出雲・隠岐守護京極高詮の守護代となって月山富田城に拠〈よ〉った。その子清定は京極氏の支配を離れて独立を図り、京極氏の怒りをかって追放された。清定の嫡男経久は文明十八年(一四八六)正月、奇策をもって富田城を占拠した。以来、尼子氏は富田城を本拠として、四隣を侵略し戦国大名に成長するのである。
 南条氏は八代宗元〈むねもと〉の時代である。宗元はのちに入道して宗勝〈そうしょう〉と号した。以下、本稿では便宜上「宗勝」で統一する。


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