第2編 歴史
第2章 中世
第2節 鎌倉・南北朝時代
 1  東郷荘

絵図描写の基本
 黒田日出男の前掲書によれば、絵図の内容は絵図の作成に至った動機.目的にそって描き込まれたものばかりで、単純な写実ではない。したがってある場合には、意図的に河川や田畑・集落などを省略するし、別の場合には、ある地域を誇張したりもするとしている。
 絵図で、東郷川・羽衣石川などが省略されているのもその一例であろう。また、松崎・引地あるいは南谷辺りとみられる比較的家数の多い集落の名称がないのに反し、家数の少ない「西別所」の名称が記入されている。西別所は何らかの理由で記入する必要があったのであろう。


<前頁
次頁>