第2編 歴史
第2章 中世
第1節 中世の概説

中世の範囲
 普通、鎌倉幕府の成立をもって、中世の始まりとしている。幕府の成立時期については諸説があるが、ここでは取り上げない。中世の歴史を考えるとき、郷土においては、特に初期の史料が乏しく、古代から中世への歴史の区切りを的確につかむことが困難である。次節以下に述べる松尾社東郷荘、あるいは東郷氏にしても、平安時代から引き続いて郷土に深くかかわりをもったとみられ、古代と中世を截然<せつぜん>と区切る転機は認められない。
 本稿で取り扱う中世は、関ケ原の戦い(1600)で、南条氏の本拠・羽衣石城が廃城となるまでの約400年の期間である。


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