第2編 歴史 第1章 原始・古代 第5節 奈良・平安時代 4 伯耆一ノ宮と経塚 神階の授与 神階とは、神社に与えられる位階のことである。因伯では、9世紀に頻繁に神階の授与が行われている。公民階層の分化に伴って生まれた新しい在地支配者層は、その氏神を祀(まつ)る神社に神階を受け、その国家的な権威を得ることによって民衆を支配しようとした。神階授与の申請を受け、それを中央政府に取り次ぐ国衙もまた、神階授与によって、在地支配者層を従えようとする政策的意図があったとされる(『鳥取県史』)。 ここでは、正三位にまで進んだ倭文神社の神階に触れておきたい。 |