第2編 歴史 第1章 原始・古代 第4節 古墳時代 4 主な遺物 予持ち勾玉 町内の古墳時代の代表的な遺物に、高辻出土の子持ち勾玉がある。同種の出土例は県内に18個数えるが、高辻出土のものは特に精巧で、昭和38年、国の重要文化財に指定された(口絵の写真を参照)。 明治41年11月、同所の上福嘉一郎が字「清水屋敷」の畑を開墾中に発見した。一帯は大小多数の古墳分布地であり、周辺でも遺物の発見された例があったが、県内各地の子持ち勾玉と同様、他の出土品はなく単独の発見であった。長さが10センチメートル以上もある大型の滑石製で、16個の小さい勾玉が付いており、古墳時代の祭事用具と推定されている。 詳しい形状については、第3編の「指定文化財」の章に譲るが、県内には滑石の産地がないことから、既成品が他から伝来したものと『鳥取県史』は推論している。 |
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