第2編 歴史 第1章 原始・古代 第4節 古墳時代 4 主な遺物 石釧と車輪宿 馬ノ山4号墳の竪穴式石室から石釧〈くしろ〉、車輪石が発見されている。両者とも、放射状の彫刻を持つ碧玉製品である。石釧より、車輪石のほうが、環の幅が広い。どちらも実用品としてではなく、宝器とされていたものであろう。長瀬高浜遺跡からも石釧が出土している。平凡社『世界大百科事典』によると、石釧・車輪石は前述した鏡と同様、畿内を中心に製作され、配布された宝器であるとしている。原形は、弥生時代以来の貝輪にあり、それが碧玉という新しい材料で作られることで特殊な発達をし、装身具としては使えないものに変形していったといわれる。 |
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