第2編 歴史 第1章 原始・古代 第4節 古墳時代 4 主な遺物 鉄器類 後期の古墳から、農具・生活用具、武具などの鉄器類の出土が、目立って多くなる。石器や銅製品に代わって、鉄器が普及したことを物語るものである。 農具では、クワ、スキ、馬〈マ〉グワ、カラスキ、カマなどが挙げられる。カラスキは、牛に引かせて土を掘り起こす農具である。工具では、鉄斧〈おの〉、ノコギリ、ヤリガンナなどが挙げられる。ヤリガンナは、現在のカンナの機能を持つ木工具である。このほか、刀剣以外の武具として、馬具、甲冑〈かっちゅう〉、鉄鏃〈ぞく〉などの鉄製品も出土する。後期の古墳から出土する、こうした鉄製の武具類は、被葬者の軍事的指導者としての性格を推測させるものである。 刀剣を除く鉄器類の主な出土地は、次のとおりである。 馬ノ山4号墳、同5号墳(カブトか短甲〈こう〉の一部と思われるものも含む)、同13・17号墳、長瀬高浜遺跡(ヤリガンナ、釣り針を含む)、野花・北山1号墳(短甲片)、長和田32号墳、門田・片平4号墳 |
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![]() 馬ノ山4号墳竪穴式石室出土の石釧(右)と車輪石(左) (いずれも東京国立博物館所蔵) |
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