第2編 歴史
第1章 原始・古代
第4節 古墳時代
 4  主な遺物

装身具
 古墳から出土する装身具では玉類が多い。その多くは勾玉〈まがたま〉と管玉〈くだたま〉の2種類である。勾玉は曲〈まが〉玉とも書き、巴紋〈ともえ〉の中の一片に似た形をしている。ヒスイ・メノウ・水晶などを使用したものが多い。これに対して、管玉は竹管状をしており、碧〈へき〉玉製のものが多い。どちらも、古代人の装身具に使われたものである。小さな穴や管にひもを通してつなぎ、首飾りなどに使用した。
 郷土での主な出土例を次に記す。
 野花・北山1号墳(勾玉・管玉)、門田・片平5号墳(勾玉・濃い水色のガラス小玉)、佐美13号墳(緑色のガラス小玉)、長和田27号墳(白玉)、馬ノ山4号墳(ヒスイ製の勾玉・碧玉製の管玉)、同13号墳(碧玉製の勾玉と管玉)このほか装身具と思われる金環が門田・片平5号墳、埴見69号墳から出土している。金属製で、切れ目をもつ輪形をしており、耳飾りに用いたものであろう。


北山1号墳第2主体出土の勾玉
(山陰考古学研究所所蔵)

表3 出土地不明の同鏡
鏡の様式
出土地
種 類
直 径
重 さ
龍文鏡
伝・宮内
舶載鏡
(前漢鏡)
11cm
310g
方格四神鏡
伝・高辻
製鏡
11.2cm
360g
変形獣形鏡
伝・宮内一ノ宮
9.9cm
140g
内行六花文鏡
伝・宮内
7.8cm
60g
(山陰考古学研究所『山陰の前期古墳文化の研究I』から)

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