第1編 自然と地理
第2章 人口と集落
第2節 集落

集村と散村
 集落の形態を集村と散村に分けて考察してみたい。まず集村は、塊村、路村、街村などに細分される。
 塊村は、集落の最も一般的な形態で、家屋がひとかたまりに集中し、家相互の距離は近い。自然発生的なものと、何らかの計画に基づくものとがあるが、本町の場合、大部分が塊村に属すると考えられる。
 路村は1本の道路や用水路に沿って、家屋が細長く連続している村落で、計画的に開拓したような場所に多く見られる。防御的には余りよくないため、路村は戦乱の少ない時期に成立する。
 街村は、路村と同じ意味でも使われる。重要な街道に沿って、商店や作業所などを多く含んだ村落である。機能的には、かなり都市型である。町内の街村の例として、宿場町で栄えた松崎や、倉吉往来(泊村園〜倉吉間)に沿う長和田などが挙げられよう。
 次に散村は、集村より新しく発生したものと考えられる。『北条町誌』は、本県の例として砂丘開拓村、戦後の開拓村を挙げている。本町には存在しない。

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