第1編 自然と地理
第1章 自然と環境
第4節 東郷湖
 2  水質とプランクトン

透明度
 昭和57年8月の調査によると、東郷湖の透明度は0.8〜0.9メートルである。透明度が低いのは、プランクトンなどの徴生物の多いのが原因である。冬期には水中のプランクトンの量が減少するため、透明度がいくらか回復することが知られる。
 透明度の低下は、水底への光の到達を妨げるため、湖の生物にとっては重大事である。例えば、東郷湖の透明度を0.9メートルとすると、その2倍の1.8メートルが水中植物の補償深度(光が到達して植物の(注)光合成を可能にする限界点)となる。したがって、それより深いところでは光合成による植物の酸素の放出がなく、魚類などにとっては酸素が欠乏することになる。
 湖底の生物調査によると、水深2メートルに近いところではシジミやゴカイなどの生物は全く見られず、イオウバクテリアなど特定の細菌類だけが生活している。東郷湖の湖底面積の約六割は、この状態にあると考えられている。
 (注) 緑色植物が、光のエネルギーと吸収した二酸化炭素・水分でデンプンなどをつくる働きをいう。この過程で植物からは酸素が放出される。

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