第2編 歴史
第4章 近代・現代
第1節 行政組織
 1  行政組織の変遷

大正・昭和前期の行政組織
 大正から昭和前期にかけて、地方行政組織に大きな変化はなかった。続いて、昭和16年12月に始まった太平洋戦争下では、市町村行政は戦争遂行のための上意下達の機関となった。終戦後の昭和22年4月、地方自治法が公布され、中央集権的な性格の強かった地方自治も、これ以後民主的な行政への道が開かれていくことになる。
 なお、「(注)立木柳蔵日記」(松崎・立木惇三所蔵)によると、昭和6年7月、県地方課の指導によって、東郷・松崎・花見・舎人村の合併問題が3首長の間で話し合われている。また、同16年8月には、東郷・松崎両村の合併話が持ち上がったが、新しい村名を「東郷村」「松崎村」のいずれにするか、互いに譲らず成立しなかったという。
 (注)明治20年生まれの立木柳蔵が、同44年から昭和42年4月に没するまで、実に57年間にわたって書き続けた日記。大正・昭和期の郷土史を研究する上で貴重な資料である。特に、立木は大正12年から昭和20年まで、東郷村・松崎村組合役場の助役を務めており、職務上関知した村政の動きをはじめ、太平洋戦争下の郷土の様子などが克明に記述されている。この時期はほかに資料が乏しく、この日記は町誌編さん上裨〈ひ〉益するところが多かった。本章では「立木柳蔵日記」と呼ぶ。

立木柳蔵日記
(松崎・立木惇三所蔵)

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