第四編 民俗 第四章 人の一生 第五節 葬送 火葬 かんの周囲に割木やワラを積み上げて火葬にした。ワラが三〇〇把必要であったので、三〇〇灸〈やいと〉ともいった。親せきの者が火を付け、焼け終わるまで残って番をした。野屋見舞いといって、この人たちに酒や料理を持って行った。東郷町の場合、早くから火葬が行われていたが、羽衣石や宮内・麻畑は土葬が続けられていた。火葬を行う地域でも、産後に死亡した婦人や子供は土葬にした。この時には、埋め土の上に竹と木で三叉〈さ〉を作り、鎌〈かま〉などをつるして魔除けとした。 |
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