第四編 民俗
第二章 衣・食・住
第三節 住居
 三  建築の工程と儀礼

地つき
地つきは、柱を据える土台石をつき固める作業である。地面を掘り下げて石を据え、その上にどうづきやぐらを組んだ。石つき棒を持ち上げる五、六本の綱を一人ずつが持ち、同時に引き上げては落とし、石を固めた。大黒柱の下には特に大きな石を用いた。力の要る作業であり、苦しさを紛らすために、地しめ歌(第五章第二節参照)を歌った。特に鬼門の方向の石を打つ時には、「ここは大隅〈すみ〉、鬼門の柱、悪魔払いの厄〈やく〉柱」と歌い、厄除〈よ〉けを願った。
   
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