第四編 民俗
第二章 衣・食・住
第三節 住居
 二  建築様式

町屋の建築
 藩政時代から松崎は町であって、屋敷取りは細長くマッチ箱状であった。間口一杯に家を建てたから、屋根はほとんど切り妻造り(書物を半ば開いて立てた形)で、草屋根が多かった。かわら屋根の家には、棟に煙出しがあった。戸口から裏まで土間の通りにわが通っていた。道路に面した壁は、荒壁の上にしっくいを塗った白壁の家や、柱も土で塗り込め土蔵のような大壁造りの家も見られた。商家は、商品を座敷や棚に並べ、客はかまちに腰を掛けて品定めをした。二階に上がる階段は箱段の家が多かった。


 
「煙出し」のある屋根(松崎で)
格子のある松崎の商家
(野口理宅)


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