第四編 民俗
第二章 衣・食・住
第三節 住居
 一  屋敷と家

手水
 手水〈ちようず〉は便所である。外便所は本宅や納屋に接続して設けられた。一坪以上はあり、直径一・六メートルぐらいの桶を埋めて肥つぼとし、踏み板を渡した。これをまたいで用を足したが、前にはさばり綱とほくどかごが下がっていた。ほくどとは、尻ぬぐいに使うワラのはかまのことである。落とし紙に新聞紙が使われるようになったのは太平洋戦争後である。
   
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