第四編 民俗
第一章 年中行事
第五節 冬の行事
大つごもり
旧暦では十二月三十日が大つごもりであった。毎月の最終日を晦日〈つごもり〉といい、大つごもりは年の最後の日で大年〈おおどし〉ともいった。
この日、家々では正月の準備を万全に整えた。神棚の飾り付けやお供えを上げ、ムシロの間〈ま〉には新しいムシロに敷き香え、障子も張り替えた。主婦はおせち料理づくりに朝から精を出し、重箱に詰めておいた。
盆ぜきと同様に、たまっていた買い掛け金をこの日までに支払った。
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