第3編 信仰と文化財
第2章 指定文化財

第1節 概説
 この章では、国・県及び町の指定にかかわる文化財を取り上げる。その内訳は次のとおりである。
 建築物・絵画・彫刻・工芸品など有形文化財のうち、重要なものを重要文化財という。そのうち、特に学術的価値が高く、美術的に優秀なもので文化史的意義の深いものが国宝の指定を受ける。また、古墳・城跡などの記念物のうち、重要なものが史跡あるいは特別史跡と呼ばれる。
 なお、昭和8年に公布された「重要美術品等ノ保存ニ関スル法律」は、昭和25年文化財保護法の施行により廃止されたが、同法によって認定されていた物件は、当分の間重要美術品としての取り扱いを受けることになった。
 鳥取県では、県内にある文化財のうち、国の指定を受けたもの以外で、重要なものを県指定保護文化財・民俗文化財(有形・無形)などに指定し、その保存・活用を図り、県民の文化的向上に役立てることを目指している。
 東郷町教育委員会は、町域内にある重要な有形文化財・天然記念物などを町の文化財に指定し、町民の文化財保護意識の高揚を図っている。
 以下の記述では、主として次の書物を参考とした。
 1.鳥取県教育委員会発行『鳥取県文化財調査報告書』第1集
 1.徳永職男著『鳥取県の文化財』
 1.山陰考古学研究所発行『山陰の前期古墳文化の研究T』
 1.鳥取県文化財保存協会発行『鳥取県の文化財』
 1.町教育委員会「東郷町指定文化財台帳」
 なお、町指定のうち天然記念物及び名勝については、第1編「自然と地理」を参照されたい。


表3 〔国の指定〕五件
指定種別
分 類
名 称
指定年月日
所在地ある
いは出土地
国 宝
考古資料
伯耆一ノ宮
経塚出土品
旧法指定 大正9年4月15日
新法指定 昭和28年3月31日
宮内・
倭文神社
重要文化財
子持ち勾玉      昭和38年2月14日 高辻
史 跡
経塚
伯耆一ノ
宮経塚
     昭和10年12月24日 宮内
古墳
北山古墳      昭和55年6月3日 野花・長和田
重要美術品
考古資料
家屋形弥
生式土器
     昭和10年2月14日 東郷町内

表4 〔県の指定〕2件
指定種別
分 類
名 称
指定年月日
所在地
保護文化財 彫 刻 大日如来坐像 昭和29年6月9日
高 辻
無形民俗文化財 風俗習慣 東郷町浪人踊 昭和37年10月16日
東郷町

表5 〔町の指定〕27件(有形文化財18、天然記念物7、名勝2件)
指定種別
名称
指定年月日
出土地又は
所在地(所蔵者)
有形文化財
野方廃寺跡出土瓦
昭和52年1月1日
野方
石帯付属品()
宮内・井上収
小銅鐸
漆原・小林義孝
陶経筒
高辻・山本操男
長栄寺天井絵
別所・長栄寺
装飾画「平和の苑
田畑・東郷小学校
日本各時代意匠表紙図案
覚善寺天井絵
方地・覚善寺
長伝寺天井絵
長和田・長伝寺
薬師如来坐像
昭和54年1月1日
中興寺・龍徳寺
十一面観音菩薩立像
松崎・西向寺
不動明王像
毘沙門天立像
青面金剛像
阿弥陀二十五菩薩立像
引地・大伝寺
中将姫像
聖観音立像
埴見・円通庵
天然記念物
松崎神社社叢
昭和52年1月1日
松崎・松崎神社
長伝寺大シイ
長和田・長伝寺
宮内井戸の椿
宮内
更田家シイの木
昭和61年11月1日
久見・更田正義
更田家マキの木
国主神社社叢
漆原・国主神社
覚善寺モミの木
方地・覚善寺
名勝
今滝
北福
不動滝
漆原


<前頁
次頁>