第2編 歴史 第4章 近代・現代 第5節 農林水産業 1 農業 (3) 農業団体 高辻の農事改良組合 昭和11年当時、東郷・松崎両村に11の農事改良組合があったことが知られている(資料編132号)。ここでは、農業経営の合理化にいち早く着手し、他の模範となった高辻農事改良組合に触れておく。以下は『東郷村郷土読本』の記録による。 同組合は、大正9年7月1日に設立され(昭和9年4月に農事実行組合と改称)、高辻の全戸(24戸)で組織されていた。組合には、畜産・金融・販売・副業など8つの部が置かれた。経営の特色は、共同利用の施設であった。まず昭和6年、精米機・モミずり機など備えた共同作業所を建築したほか、養鶏を奨励するための共同育雛〈すう〉舎を設けた。さらに同9年に共同選果場、翌10年に火力乾燥場(モミ用)を建築している。このほか、生活改善策として冠婚葬祭具の共同設置、託児所の開設、七夕行事の共同実地などで、無駄な費用の節約にも努めている。 このような活動が認められ、昭和10年、県から優良農業実行組合として表彰を受けたほか、農業経営共進会などで度々入賞している。 |
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