| 第1編 自然と地理 第1章 自然と環境 第4節 東郷湖 1 湖の成因 ツルの池 東郷湖の形は、南北にやや長く、中央部がくびれ、東西の両岸が迫っている。古くから「ツルの池」とも呼ばれてきた。鉢伏山の山頂から眺める湖は、ツルが両翼を広げた形にも見える。また、鳥取藩の「在方諸事控」(『鳥取県史13近世資料』所収)の明治三年十月二十三日の条には、引地村の某がツルを誤って射ち殺したという記事が見える。かつて東郷湖はツルの飛来地であった。引地の湖岸寄りには字「舞鶴」の地名も残っている。東郷湖を「ツルの池」と記した古い史料は見当たらないが、恐らく山上からの眺めや、ツルの飛来地であったことから語り継がれてきた愛称と思われる。 なお、延享五年(一七四八)に書かれた「埴見郷伝記」(門田・岡本稚樹所蔵)には「太古箙〈えびら〉池ト云〈い〉フ」とある。「箙」とは、矢を入れて背に負う武具のこと(岩波書店刊『広辞苑』)であるが、命名の由来は不明である。
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