第1編 自然と地理
第1章 自然と環境
第4節 東郷湖
 1  湖の成因

概 説
 周囲約12キロメートル、面積約4.17平方キロメートルの東郷湖は、湖山池に次いで県内で2番目に大きい湖である。平均水位は2.1メートルで、浅く平坦〈たん〉な湖であるといえる。昭和47年に県が調査した結果によると、湖の最深部は羽合温泉の南側付近の4.6メートルで、大半は2.5メートル以下であることが知られる。また、平常の貯水量は約880万立方メートルと推定されている(以上、前掲『天神川流域とその周辺』)。
 東郷湖は、西側を流れる天神川の沖積作用などで、かつての日本海の内湾がふさがってできた海跡湖であると考えられる。そのため、現在でも海面との標高差がほとんどなく、排水河川である橋津川を通じて海水の流入を受ける。東郷湖は純粋な淡水湖ではなく、塩分を含む汽水湖である(後述)。
 以下、『天神川流域とその周辺』を基に、東郷湖の形成の過程を考えてみたい。

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