第2編 歴史
第4章 近代・現代
第1節 行政組織
 1  行政組織の変遷

東郷村と松崎村
 明治22年10月に誕生した4か村のうち、東郷・松崎両村は、組合役場を松崎村地内に設置し(注)組合(村)長を選んだ。同年11月25日には役場開庁式を行っている。組合村を設けたのは 、県の勧奨によったものと思われる(『鳥取県史近代第五巻資料篇』No.423参照)。また、組合会議員の構成は当初、東郷村12人、松崎村8人と定められ、各村ごと の選挙で選ばれた(「村会決議要録」松崎・足羽愛輔所蔵)。その後、大正2年から両村で12人、昭和22年から同じく16人と変更されている(町役場所蔵の両村「職員名簿」)。
明治22年・東郷村松崎村組合開庁式祝詞草稿
役場所在地「松崎村169番地」は、現在の松崎二区447番地と推定される。
(川上・森田良平所蔵、資料編117号収録)
 明治34年度の「東郷村松崎村組合事務報告書」(資料編115号2)によれば、同組合では当時、東郷村会・松崎村会及び組合会の3本立ての議会が運営されていたことが知られる。これは、審議する一般会計予算が、組合分と両村個別分の3種類あったことに関係する(「財政と村政」の節を参照)。
 この村ごとの議会運営は、大正2年まで続いたと推定される。前述したように、同年の選挙から、村ごとの選挙区制が改められ、両村で1選挙区・定員12人と定められている。以後、組合会で、組合村と両村分の予算を審議したものと思われる。
 (注)東郷村・松崎村組合の長は、当初組合村長と記名された。それが明治31年3月から組合長に改められたことが知られる(写真参照)。



表33 区制・区域の変遷

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