第1編 自然と地理
第1章 自然と環境
第3節 地質と資源
 4  温泉

地質と地下構造
 東郷温泉周辺の地質は、下部から鳥取花崗岩、小鹿川火砕岩層、洪積層、沖積層から成っている。
 温泉湧出地の基盤岩類の構造は、松崎駅前付近の中央地区と、その両翼の東・西地区では著しく異なっている。すなわち、松の家旅館辺りの中央地区では、花崗岩は地表下約三〇〇メートル深いところにあるが、両翼地区では急に上昇し、地表下二〇〜六〇だメートルに顔を出している。この花崗岩層の上部の開口部は、東の鉄道寮から西の谷水旅館の辺りまで約350メートルである。
 小鹿川火砕岩層は、中央地区で花崗岩の凹部を埋めて厚くたい積しているが、東西に離れるにつれて層が薄くなり、両翼の地区では消え失せて、花崗岩上に洪積層が直接たい積している。

図3 東郷温泉の地質断面
(『鳥取県温泉総覧』を基に作成)

<前頁 次頁>