資料編

中世の部

主要資料所蔵者解説

 

岩国市徴古館所蔵文書  岩国市横山2−7−19

 前項の吉川家では、江戸時代末に家中から文書を録上させ、数々の資料編さんがなされた。「御家中系図」・「藩中諸家古文書纂」・「吉川家臣覚書」などがこれである。今日では、これらの資料の一切は岩国市徴古館の所蔵となっている。前掲資料のうちに伯耆国に関する文章もみられるが、その中に山田文書がある。

 山田家は、伯耆国久米郡北条郷堤城主として知られた山田重直の一統である。山田重直は永禄年中出雲守の官途を許され出雲守重直と署名している。

 重直は南条家重臣で、今日残されている暑名と花押は、三朝町中津区有文書(『鳥取県史』2中世資料181号掲載写真)に出雲守重直(花押)とみえ、吉川家文書天正3年10月14日南条信正等15人連署起請文にも署名・同型の花押を認め得る。山田重直の一族は、吉川家に臣徒し近世初期に周防岩国に移り、吉川家臣として藩政時代当地にあった。この山田家は、伯耆国衆の系譜をもつ家柄である。別に、方見神社池本正穎所蔵文書中に、河野春頼・山田方宗連署状1通があり(『鳥取県史』2中世資料210号文書)、方宗は山田出雲守方宗とみえる。出雲守方宗の花押は重直の花押と異なるので、恐らく別人と思われる。これらの検討は将来の課題の1つである。本文の校訂にあたり出雲守の官途名の横に実名を注記しておいたが、これは編者の検討を経たものである。したがって、類書と異にしている場合もあるが、編者の責任において訂正したものである。