第四編 民俗
第四章 人の一生
第五節 葬送

まくら飯
 まくら元に机を置き、一本とうすみ又はろうそくを灯明とし、一本線香をあげ、まくら飯と(注)四華〈しか〉を供えた。まくら飯は死者が生前に用いた茶わんに、血縁者たちが左手で飯を一すくいずつすくって盛り上げたものである。息を引き取ると、死者はいったん善光寺参りをするので、そのための弁当だからなるべく早く供えるものとされた。汁わんに生みそと塩を少々入れた。
 知らせを受けた旦那〈だんな〉寺から僧がまくら経をあげに来た。このとき、葬式の日取りなどを決めた。
  (注) 細長い紙に細かく横の刻み目を入れ、オガラにらせん状に巻いたもの。
   
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