2編 歴史

3章 近世

4節 庶民の生活

4 飢饉

 

 飢饉(ききん)とは、自然的諸災害や戦乱などの影響あるいは人為的な自然破壊による環境の大きな変化のために、農産物の著しい減収を生じた結果、広範な飢餓状態をもたらし、多数の餓死者、病死者を発生させる現象をいう。飢饉をもたらす自然の要因としては、主として干ばつ、霖(りん)雨(ながあめ)、水害、冷害、虫害などがあり、大飢饉はこれらの原因が複合することによって起こる場合が多いといわれる。

 次に、町内に残るわずかな資料によって、江戸時代の三大飢饉といわれる享保・天明・天保の飢饉の原因及び状況などを考察してみる。