第2編 歴史
第3章 近世
弟3節 和田氏と自分政治
4 自分政治
安政4年の銀談
銀談とは、金銭の貸借などについての相談、すなわち借用申し込みである。小鹿谷の和田氏家臣からもあったが、金額の大きいのは領主和田氏からのものであった。相談の相手は松崎町である。その折衝に当たるのは町年寄などの町役人であった。応対には相当苦慮したようである。前掲「御用日記」に次の記事がある。
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前田良輔は鳥取から銀談に出張してきた和田氏の家臣である。小鹿谷の陣屋に宿泊していたのであろう。最初は450両(注)の切り出しであった。和田邦之助はこの年4月に家老職を拝命しているから、家老職就任に伴う出費がかさんだためではなかろうか。領主からの銀談であるから、松崎町としては拒絶することはできなかったのであろうが、450両は過大であった。難しい交渉であったが、堀・日比両氏のとりなしがあり、結局300両で話がまとまり、町役人は大いに安心したというのである。
(注) 「金高割付書四百五十両」とあることから、この金額はあらかじめ和田家の側で、松崎の個々の町人の資力に応じて割り当ててあったとみられる。
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