2編 歴史

3章 近世

2節 鳥取池田家の成立

4 貢租制度

 

() 貢納

 

米の検査

 納入米は生産地によって品質に優劣があったので、藩倉ではこれを上・中・下の3等に分け、下米は翌春の農村への貸米(後述)に当て、中米は売米、上米は廻(かい)米として大坂に送り出す分とした。

 米を検査するには、50俵とか100俵とか、ある程度の量を単位として行った。これを一廻し又は一庭(にわ)といった。米俵はまず外装を検査したのち、竹差しと称する一方をとがらせた竹筒を俵に差し込んで少量の米を取り出し、死米・くず米・籾・ぬかなどが混入していないかを抜き取り検査した。一廻しの米俵の中から、1俵を抽出して容量などを吟味して、これに合格すれば、一廻しの俵全部を合格として収納した。この検査を升(ます)廻し、検査に用いた俵を廻し俵といった。廻し俵の容量が不足する場合は、その不足分を一廻しの俵全部に追加させたといわれる。

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