第2編 歴史
第3章 近世
第2節 鳥取池田家の成立
4 貢租制度
(3) 請免制
請免制のねらい
請免制採用の直接のねらいは、「在方役人の勤務内容を軽減し、郡奉行の減員、代官の廃止を実現するとともに、地方巧者(じかたこうしゃ)(土地、租税制度などに熟練した者)の登用による効率的行政を展開して租税収入の定額化と安定を図ること、農民に生産意欲を持たせ、生産力の増進に努力させ、同時に年貢の納入を農民に請負わせるということで大庄屋の責任とし、村役人や5人組にそれを分担させて、共同責任の下で未納・怠納を防止する」ことにあった(『鳥取県史3近世政治』)。
また、全藩的にみて地平し段免制が採用されると、年貢額が幾分下降し、請免制が採用になってから、更に下降する傾向がみえる。そのため、請免制の採用が増税につながるとの考えは間違いであり、むしろ年貢額の低下を食い止める方法であったとする見解もある(徳永職男外共著『江戸時代の因伯』)。