2編 歴史

3章 近世

1節 近世初期の時代

 

慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いが終わると、中世伯耆の有力大名南条氏の本拠・羽衣石城は廃城となり、ここに郷土での時代の転機が認められる。本章で取り扱う範囲は、関ヶ原の戦いの直後から廃藩置県の行われた明治4年(1871)ごろまでの約270年の期間である。

元和元年(1615)の大坂落城以降、「天下泰平」が招来された近世の時代には、幾度かの政治改革がなされた。『鳥取県史3近世政治』は、近世の時代を通覧して、藩政確立期・展開期・幕末期・明治維新期に区分して政治・社会の動向を述べている。本章では、『鳥取県史』の時代区分を参考としながら、特に東郷町内に伝来する文書に重点を置き、近世の郷土を考えてみたい。

 

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