第2編 歴史
第1章 原始・古代
第3節 弥生時代
弥生時代の住居と墳墓
弥生時代の住居は、縄文時代からの竪(たて)穴住居、平地住居が一般的であった。住居の平面は、円形・隅丸方形・多角形などがみられる。このほか、木造の高床式建築もみられるが、これは米などを収納しておく倉庫と考えられている。
墓地は、おおむね集落の近接地に設けられた。縄文時代の屈葬(死者の手足を折り曲げて埋葬すること)が多かったのに比べて、弥生時代は伸展葬(手足を伸ばした姿勢で埋葬すること)が多くなる。墓は、箱形に組み合わせた石棺や木棺、甕(かめ)棺などがあり、幼児を弥生式土器に入れて葬った例もある。このほか、竪穴を掘って埋葬する土壙(こう)墓、大型の石を据えて標識にした支石墓などがある。このような墓は、全体として集団墓地の形態を取っている場合が多いが、そのなかで鏡・玉などの副葬品を伴っているもの、溝などで墓域の区画がされているもの(周溝墓)などがあることから、同じ集団のなかでも権力を持った統治者がいたことが知られる。