第2編 歴史
第1章 原始・古代
第3節 弥生時代
弥生式土器の特徴
明治17年に、当時の東京市本郷区弥生町で壺形土器が発見された。この土器は、前代の縄文式土器とも後代の古墳時代の土器とも相違することが明らかになり、発見地の名前をとって弥生式土器と名付けられた。このような土器が使用された初期の農耕文化時代を弥生時代と呼んでいる。そして用いられた土器の形状の変遷から、この時代を前期・中期・後期の3つに区分して考えるのが一般である。
なお、弥生式土器では、甕(かめ)(煮炊き用)・壺(貯蔵用)・高坏(たかつき)・鉢(食器・供献用など)の4種の器形を基本にしている。縄文式土器の黒褐色に比べて、赤褐色の明るい色調をもっている点が特徴である。