第2編 歴史

第1章 原始・古代

第2節 縄文時代

 

県内の主な縄文遺跡

 『鳥取県史』によると、石器や土器の出土から、県内の縄文時代の遺跡と考えられているものは59か所であるという。近年の発掘調査の進展で、その数は若干増加していると思われるが、大まかにみて、砂丘地やその周辺の海岸地と、大山など中国山地の山ろくに位置する2つのグループに分けられるという。こうした遺跡のうちで、これまで学術的調査を受けたものは、米子市の目久美・青木遺跡、倉吉市の松ヶ坪遺跡、北条町の島遺跡、三朝町の穴谷遺跡、鳥取市の桂見・青島・大路川遺跡、福部村の直浪(くすなみ)・栗谷遺跡、郡家町の西御門(みしみかど)遺跡などが挙げられる。特に、鳥取市湖山池周辺の桂見・青島遺跡は漆器(しっき)・櫂(かい)・柄杓(ひしゃく)など多数の木製品が出土したことで知られ、また、米子市・青木遺跡は縄文時代の後期・晩期に、当時のケモノ道に沿って作ったとみられる動物捕獲用の落とし穴が多数見つかったことで注目されている。さらに、北条町の島遺跡は、縄文時代前期の終わりごろから晩期にかけての土器が出土したほか、丸木舟の断片(幅約60センチメートル)が出土したことで話題になった。このほか、親指の頭大で糸を掛ける溝をもつ漁具・石錘(すい)(別名おもり石)も出土しており、島付近で舟を使った漁業活動があったものと思われる。

 

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