第2編 歴史

第1章 原始・古代

第1節 時代の概観

 

平安時代

 平安時代は、桓武天皇が都を奈良から京都に移した延暦13年(794)から、源頼朝が鎌倉に幕府を開くまでの約400年間である。

 この時代の当町では、伯耆一ノ宮の存在が知られる。10世紀に書かれた『延喜式』にその名が記されるなど、神階を授かった神社として隆盛を誇った。また、当時の本地垂迹(ほんじすいじゃく)説(仏・菩薩が我が国の神祗となって現れるとする神仏同体説)に基づいて、一ノ宮の付近には神宮寺が建てられていた。それを裏付けるものが、国の史跡に指定された伯耆一ノ宮経塚である。

 このような一ノ宮の隆盛をもたらした背景には、これを庇護(ひご)した在地支配者層の存在が考えられる。これらの支配者層は、律令制の崩壊に伴って新田開発などで領地を広げ、勢力を蓄えながら次の中世社会の主役になっていく。

 この時代から当地に勢力を張っていた地方豪族の一つに東郷氏の存在が指摘できるが、これについては中世の章に譲る。

 以下、各時代ごとに町内の様子を追ってみたい。

 なお、この章で紹介する町内の遺跡や古墳は、町教育委員会発行の『東郷町内遺跡分布調査報告書』に記載された名称で指し示している。具体的な所在地は、町教育委員会作成の『東郷町内遺跡分布地図』を参照されたい。


(注)本章に記載した写真(口絵など関連写真を含む)の一部は、東京国立博物館・鳥取県立博物館・鳥取県埋蔵文化財センター・倉吉博物館・山陰考古学研究所・斎藤忠(東京都)から提供を受けた。

 

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