○湯梨浜町議会議員政治倫理条例

平成16年12月24日

条例第203号

(目的)

第1条 この条例は、町政が町民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その担い手である町議会議員(以下「議員」という。)が町民全体の奉仕者として、その人格と倫理の向上につとめ、いやしくも自己の地位による影響力を不正に行使して、自己の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、町政に対する町民の信任に応えるとともに、町民が町政に対する正しい認識と自覚の下に、清浄で公正に開かれた民主的な町政の発展に寄与することを目的とする。

(議員の責務)

第2条 議員は、町民の信頼に値するより高い倫理的義務に徹し、政治不信を招く公私混同を断ち清廉を持するとともに、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合には、自ら潔い態度を持って疑惑を解明し、その責任を明らかにしなければならない。

(町民の責務)

第3条 町民は、主権者として自らも町政を担い、公共の利益を実現する自覚を持ち、議員に対し、町の職員(会計年度任用職員及び臨時的任用職員を含む。以下「職員」という。)採用等の推薦、金品の贈与、供応、不当な圧力をかける等、その地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。

(政治倫理基準)

第4条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 町民全体の代表者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 町民全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上につとめ、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。

(3) 町工事等の請負契約、下請工事、委託工事及び一般物品納入契約に関して特定業者を推薦、紹介するなどの取り計らいをしないこと。

(4) 職員等の採用に関して推薦等をしないこと。

(5) 議員は、職員等の昇格、異動に関して推薦等をしないこと。

(町民の調査請求権)

第5条 町民は、議員に前条第1項各号に規定する政治倫理基準に反する疑いがあるときは、これを証する資料を添えて、議長に調査を請求することができる。

2 前項の規定により調査の請求がなされたときは、議長は、調査請求書及び添付資料を次条に規定する湯梨浜町議会議員政治倫理審査会に直ちに提出し、調査を求めなければならない。

3 湯梨浜町議会議員政治倫理審査会は、前項の規定により調査を求められたときは、請求を受けた日から50日以内に、その調査結果を議長に文書で報告しなければならない。

4 議長は、前項の規定による報告があった日から7日以内に、その写しを請求者に送付しなければならない。

(政治倫理審査会の設置)

第6条 議長は、調査請求を受けたときは、湯梨浜町議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置する。

2 審査会の委員は、6人以内とし、議員のうちから議長が公正を期して指名する。

3 審査会の委員の任期は、議長に対して当該事案の審査結果の報告を終了したとき並びに第8条第9条及び第10条に定める町民に対する説明会(以下「説明会」という。)を開催する場合は、説明会が終了したときまでとする。ただし、議員の職を失ったときは、その任期を終了するものとする。

4 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、委員定数の3分の2以上の同意を必要とする。

5 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(審査会の職務)

第7条 審査会は、次に掲げる職務を行う。

(1) 第5条第3項に規定する必要な調査及び報告をすること。

(2) 説明会に際し、議長の諮問を受けて意見書を提出すること。

(3) その他、この条例による政治倫理の確立を図るため、議長の諮問を受けた事項につき調査及び報告をすること。

2 審査会は、前項の職務を行うため、関係人から事情聴取及び資料提供など必要な調査を行うことができる。

(職務関連犯罪容疑による逮捕後の説明会)

第8条 議員が、刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで及び第198条に定める罪その他職務に関連する犯罪(以下「職務関連犯罪」という。)の容疑による逮捕後、引続きその職にとどまろうとするときは、町民に対する説明会の開催を議長に求めることができる。この場合、当該議員は、説明会に出席し、釈明するものとする。

(職務関連犯罪容疑による起訴後の説明会)

第9条 議員が職務関連犯罪による起訴後、引続きその職にとどまろうとするときは、町民に対する説明会の開催を議長に求めなければならない。この場合、当該議員は、説明会に出席し、釈明しなければならない。

2 町民は、前条又は前項の規定による説明会が開催されないときは、地方自治法(昭和22年法律第67号)第18条に定める選挙権を有する50人以上の連署をもって、説明会の開催を請求することができる。

3 前項の開催請求は、逮捕後の説明会にあっては起訴又は不起訴の処分がなされるまでの間に、起訴後の説明会にあっては起訴された日から50日以内に、議長を通じて行うものとする。

4 町民は、説明会において当該議員に質問することができる。

5 議長は、説明会の開催に関して審査会にあらかじめ諮問し、意見書の提出を求めなければならない。

(職務関連犯罪による第一審有罪判決後の説明会)

第10条 前条の規定は、議員が前条の罪による第一審有罪判決の宣告を受け、なお引続きその職にとどまろうとする場合に準用する。ただし、開催請求の期間は、判決の日から30日を経過した日以後20日以内とする。

(職務関連犯罪による有罪確定後の措置)

第11条 議員が前条の有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、地方自治法第127条第1項の規定により失職する場合を除き、議員は、町民全体の代表者としての品位と名誉を守り、町政に対する町民の信頼を回復するため、辞職手続をとるものとする。

(町の工事等に関する遵守事項)

第12条 議員の配偶者、二親等以内又は同居の親族、議員が役職をしている企業並びに議員が実質的に経営に携わる企業は、地方自治法第92条の2の規程の趣旨を尊重し、町が行う許認可、又は工事等の請負契約、下請工事、業務委託契約及び一般物品納入契約を辞退し、町民に疑惑の念を生じさせないよう努めなければならない。

2 前項に規定する「実質的に経営に携わる企業」とは、次に掲げるものをいう。

(1) 議員が資本金その他これらに準ずるものの3分の1以上を出資している企業

(2) 議員が年額300万円以上の報酬(顧問料等その名目を問わない。)を受領している企業

(3) 議員がその経営方針に関与している企業

(その他の事項)

第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、議会で定める。

この条例は、平成17年4月1日から施行する。

(令和元年12月18日条例第18号)

この条例は、令和2年4月1日から施行する。

湯梨浜町議会議員政治倫理条例

平成16年12月24日 条例第203号

(令和2年4月1日施行)